東京都が運営する都立霊園は、木々が多く開放感があり、民間霊園と比較すると管理料金も安いので非常に人気があります。しかし利用者が多い分、気を付けなければならない使用手引きがあります。これから都立霊園をご利用予定の方、またはご利用を検討されている方にも役立つ使用手引きをご説明していきます。
都立霊園とは
東京都が運営する都立霊園は東京郊外を含む8ヶ所に点在し、400万㎡を超える広大な面積を誇ります。全8ヶ所の利用者は25万人を超え、明治時代以降の数多くの偉人や著名人など、100万人以上の方々が眠りについています。施設には以下の6種類があるので、様々なニーズに応えることが可能となっています。
一般埋蔵施設
寺院墓地などと同じ一般的な平面墓地で、区画ごとに割り振られた土地を借りて埋蔵するものです。
芝生埋蔵施設
平坦な芝生に等間隔で配置される埋蔵施設です。予め設置されているのはカロートという納骨施設だけですので、墓石などは別途用意しなくてはなりません。
長期収蔵施設
収蔵期間があらかじめ決められた納骨堂です。30年ごとに更新が可能となっています。
立体埋蔵施設
使用許可が下りた日から起算して最初の20年間は地上のカロートに個別埋蔵されますが、その後は地下での共同埋蔵となります。
合蔡埋蔵施設
他の方の遺骨と共同で埋蔵する施設です。共同埋蔵するタイミングを選べるようになっており、「直接共同埋蔵」と「一定期間後共同埋蔵」の2種類があります。
樹林型合葬埋蔵施設
粉骨などを含むご遺骨を樹林の下に共同で直接埋蔵する施設です。
都立霊園の使用手引き
都立霊園には使用に際して様々な手続きがあります。せっかく高い倍率をくぐりぬけて入園したとしても、決められた使用手引きを守らなければ使用取り消しになる恐れがあるので十分に注意が必要です。今回は一番利用者の多い一般埋蔵施設の使用手引きを中心に手順を見ていきます。
都立霊園利用に際して必要な物
まずは霊園を利用するにあたって必要な物ですが、以下の2つとなります。 ・使用許可証 ・管理料 使用許可証は施設を利用する権利を保障する唯一のものです。大切なものですので、きちんと保管しましょう。また、管理料も維持・管理費として毎年納めなければなりません。基本的な事ですので忘れないようにしましょう。
墓石の設置について
基本的には再貸付墓所になるので、墓石の設置時の地固めや根切りなどの整備工事は使用者負担で行うことになります。墓碑は原則として一墓所に一墓石となっています。高さ3m以内、盛土は高さ35㎝以内の範囲内と定められているので注意が必要です。また、こちらも自費になりますが、使用区画を明確にしてトラブルを避けるために高さ80㎝以内の柵を設置したほうが良いでしょう。
樹木の管理について
使用区画内に植樹できる事も都立霊園の特徴の一つですが、大きく成長して他の使用者の区画に侵入すればトラブルの原因にもなります。なるべく生長の遅い常緑樹や花木を選んで、適切な管理を心がけましょう。
霊園内で処分できるもの
都立霊園は都内なのでゴミを漁るカラスも多く、ゴミの分別は近年大きな問題となっています。霊園内に捨てていいもの、駄目なものを把握しておきましょう。 捨てても大丈夫な物 ・剪定枝、雑草 ・下げ花 ・卒塔婆 捨ててはいけないもの ・お菓子や果物などのお供え物 ・花を包装する紙やビニール ・弁当の空き箱やビン、缶、ペットボトル
遺骨の埋蔵・収蔵について
申込をした遺骨は申請許可が下りた日から3年以内に埋蔵・収蔵するように決まっています。以下の書類を用意して手続きを済ませてから行いましょう。 ・自宅に遺骨がある場合 東京都霊園使用許可証、火葬許可証 ・他の寺院や納骨堂から改葬する場合 東京都霊園使用許可証、改葬許可証
各種届出・申請について
以下の場合は都立霊園窓口で所定の手続きが必要になります。 ・使用者(名義人)の変更 ・使用許可証を紛失した場合などの再交付 ・使用者の本籍、氏名が変更になった場合 ・使用者の住所変更 ・霊園施設の利用をやめる場合 名義人の変更や本籍・住所変更の手続きなどは基本として、使用許可証の再交付や利用停止は重要なことですので、速やかに手続きを行いましょう。
使用手引きを必ず守りましょう
都立霊園の一般埋蔵施設の使用手引きは以上のようになっています。利用施設の種類によっては別途手続きが必要になってきますが、いずれにせよ使用手引きを守るように気を付けなければなりません。きちんとルールを守って、気持ちよく都立霊園を利用しましょう。