お墓の費用と税金の関係

お墓の費用と税金の関係(1)

「自分が亡くなったとき新しくお墓を建ててもらうための費用を、子供に残していきたい」と考えている方も多いようです。しかし、じつは「費用」ではなく「お墓」そのものを残す方が税金の節約になり、次の世代に多くの財産を残せるということをご存じでしょうか。

「お墓」で税金を節約できる

お墓は、民法で「祭祀財産」に分類されます。祭祀財産とは、祖先を敬い祀るための道具を指す法律用語であり、お仏壇や神棚などもこれにあたります。

こうした祭祀財産は一般の相続財産と区別され、次の世代に引き継ぐ際に相続税などは一切課税されないと定められていますが、そのことこそが税金を節約するための大きなポイントになるのです。

「費用」には税金がかかる

祭祀財産であるお墓を建てて、それを財産として子供に残せば相続税はかかりません。 ところが、お墓を建立するための「費用」を残した場合、実際には現金を残すということになり、これは言うまでもなく相続税の課税対象となってしまいます。

お墓を建てれば課税対象額が減少する

仮に、現在1,100万円の現金財産があり、お墓の建立に200万円かかるとした場合について考えてみましょう。

すべて現金で相続すると課税対象額は1,100万円になるのに対し、生前にお墓を建てて「お墓+現金」という形で相続すれば、課税対象額は900万円となります。課税対象額が低ければ単純に税金の額も低くなるので、結果として税金を節約できるということなのです。

しかも相続税は累進課税方式であるため、課税対象額が低くなれば、税率もより低く抑えられる場合も。 上の例で言えば、課税対象額が1,000万円を超えると税率は15%(控除額50万円)ですが、1,000以下の場合は10%となり、支払う税金の額は下記のように大きな差が出てきます。

【現金のみ1,100万円を相続する場合】

相続税額 =(1,100万円 - 控除額50万円)× 0.15 = 157万円

【お墓+現金900万円を相続する場合】

相続税額 = 900万円 × 0.10 = 90万円

【差額】

157万円 - 90万円 = 67万円

(※分かりやすく簡素化した例であり、実際には細かな控除なども計算されるので、必ずしもこの金額になるわけではありません。)

お墓が課税対象となる場合も

現在お墓がなく、いずれ自分たちが入るためのお墓を建てる必要があるということであれば、生前に建てておく方が税金を節約できるということがお解りいただけたでしょうか。

しかし同じお墓だからといっても、通常では用いないような高価な材料を使用するなど、祭祀財産としてのお墓を超えるような価値があると判断された場合には、課税対象となってしまうこともあります。節税効果は常識的な範囲で考えておきましょう。

さらにお墓をローンで購入した場合などは、未払い分の金額については課税対象となるので併せてご注意ください。

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