お墓の金額で気になるのが、戒名を入れるときの費用です。相場はいくらぐらいなのでしょうか?戒名を刻む墓誌や彫刻の金額、作業の流れなど、お墓の戒名に関するさまざまな疑問についてお答えします。
戒名とは?
「仏教において受戒した者に与えられる名前」「仏門に入った証であり、戒律を守るしるし」である戒名は、現在は故人につけるのが慣習です。呼び方ですが、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」になります。
戒名のルール
一般に戒名として扱われているものは、宗派によって違いはありますが、“院号+道号+戒名+位号”の組み合わせと考えてよいでしょう。道号は字(あざな)のようなもの。位号は、18歳以上なら「信士」か「信女」、信仰の厚い人なら「居士」か「大姉」が贈られ、寺院や社会に大きく貢献した人にはさらに院号も贈られることになっています。
戒名は、お墓に一緒に入る先祖より高い位にはしないのが一般的ですが、新しいお墓を作る場合は気にする必要はありません。
戒名料の金額
戒名は、寺院にお布施して得ます。金額は、「信士」と「信女」なら5~30万円ですが、「院居士」と「院大姉」だと100万円とも。
お墓の文字彫刻
お墓の正面には、和型なら「○○家之墓」「○○家先祖代々之墓」などの家名、「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などの題目、神道なら「石乃家奥津城」「石乃家奥都城」の文字が縦書きで刻まれることに。デザイン型と洋型の墓石ですと、イラストや文章を入れているお墓もあるようにだいぶ自由になります。
文字の彫り方には、一般的な「彫り込み」や、文字の周りを削る「浮かし彫り」などがありますが、書体は楷書体が一番多いかもしれません。文字を見えやすくするため、白のペイントを入れることもあります。
お墓の戒名彫刻
戒名は墓誌に刻みます。刻むのは戒名と俗名(生前の名前)、命日、行年(数え年)。お墓が狭くて墓誌がない場合は、墓石(竿石)の側面か裏面に刻みます。石塔に刻むこともあるようです。
戒名彫刻の流れ
まずは石材店に連絡し、お墓の確認をしてもらった後に、文字の内容や書体などの打ち合わせをしましょう。文字の彫刻作業は、基本的に現場で行います。墓誌を工場に運んで行うこともできますが、輸送の費用などが発生しかねません。
竿石だとさらに大変で、性根抜きなどの手続きが必要になってしまいます。期間は2週間ほどで、戒名彫刻が完成した後に、納骨式を行います。
戒名彫刻の金額
戒名を刻むときの金額は、1人あたり3~5万円が相場です。竿石だと墓誌よりも高くなる石材店もあるようなので、お店に確認しましょう。
墓石の磨き直し
戒名を追加できるスペースがなくなったときは、墓誌(もしくは竿石)を磨き直します。古い戒名を「先祖代々之諸精霊」などの一文にまとめてから追加するのですが、磨き直しの費用は約20万円です。
戒名料は寺院に、彫刻代は石材店に
お墓に戒名を入れるためには、戒名を得るための寺院へのお布施(戒名料)と、石材店に戒名を彫ってもらうための費用がかかります。彫刻にかかる金額は、戒名料ほど高くはありません。
メモリアルサービスでは、お墓を建てた後も安心していただけるよう、丁寧にサポートさせていただきます。文字彫刻や戒名についても、ぜひご相談ください。