「散骨」と「樹木葬」は、いずれも近年ますます広がりを見せている、自然葬の一種です。混同されることも多い、両者の特徴や違いについてまとめました。
散骨と樹木葬
自然によって育まれた命を、ふたたび自然へと還す「自然葬」。近年、思想やライフスタイルなどの多様化によって、一般的にも広く受け入れられるようになった新しい葬送の方法です。
散骨と樹木葬は、いずれもこの自然葬の一種です。
【散骨】遺骨を小さな粒状に砕いて、海や山などに撒くことで自然に還す方法。
【樹木葬】樹木の下の地中に、土が直接ふれるかたちでご遺骨を埋葬し自然へ還す方法。
いずれも墓石が不要であるため、一般的なお墓に比べて「費用負担が軽減できる」「自然環境に与える影響が少ない」といったメリットがあります。
またお墓を維持管理していく必要もないので、「お墓の後継者がいない」「子供や孫に負担をかけたくない」という方にも適した葬送方法であると言えるでしょう。
両者の違い
同じ自然葬ということから共通点も多い散骨と樹木葬ですが、両者にはいくつか大きな違いがあります。
場所の違い
散骨は、漁業権の設定されている河川や海洋、公園など公共の土地、山林など他人の私有地では禁止されています。こうしたことから散骨ができる場所としては、
- 漁業権に影響ない、海岸から遠く離れた海の沖
- 散骨業者が所有する山林など、所有者によって許可された私有地
のいずれかということになります。
樹木葬の場合も行うことができるのは、法律で許可された場所だけです。具体的には、樹木葬に対応した墓地・霊園のみになります。
埋葬の際の遺骨の形状の違い
散骨を行う場合、社会的なモラルの観点から、遺骨は粒状に細かく砕いて、遺骨であることが判別できないようにする必要があります。一方、樹木葬については、遺骨の形状にとくに決まりはありません。
費用の違い
散骨の費用は、遺骨一体あたり5~20万円程度が相場。遺骨を砕く作業を業者に依頼する場合は、別途3万円程度必要となります。
樹木葬の場合は、費用の相場は遺骨一体あたり10万円~70万円程度となっています。
墓標の違い
散骨の場合、広い範囲に遺骨を撒いてしまうので、従来の墓石のような、目に見える墓標となるものはありません。
これに対し樹木葬の場合は、樹木が墓標の役割を果たしています。さらに樹木そのものを、故人の生まれ変わりと感じ、心の拠りどころとされるご遺族の方も多いようです。
まずは専門の業者に相談を
散骨や樹木葬などの自然葬を希望される方はますます増加傾向にあり、ニーズに合わせて今後サービスもさらに多様化していくと思われます。サービスによって費用が大きく異なることもありますので、まずは専門の業者などに相談されるとよいでしょう。
なお、法律的なトラブルなどになってしまう恐れがあるため、ご自身の判断だけで自然葬を行うことはおすすめできません。
自然葬についての疑問やお問い合わせは、メモリアルサービスまでお気軽にどうぞ。豊富な知識と信頼の実績で、お一人お一人のご希望にあわせたご提案をさせていただきます。