近年、新しい葬送のかたちとして樹木葬を希望する方が増え、樹木葬ができる墓地も多くなってきました。ここでは、こうした樹木葬対応の墓地について、その特徴などをご案内していきます。
樹木葬とは
樹木葬とは、墓石を置かず、樹木を墓標とする自然葬の一種です。
ライフスタイルや価値観などの多様化によって、近年ではこの樹木葬に注目が集まるようになりました。また、それにともなって、樹木葬に対応した墓地・霊園も増えてきています。
自然志向の墓地
墓石を建てて、その中にご遺骨を納める従来型の墓地に対して、樹木葬では、樹木の下の地中にご遺骨を納めます。この際、ご遺骨は直接土に触れるようにして埋葬されるので、長い年月を経て、ご遺骨はいずれ土へと還ることになります。
人の命も「自然の一部」ととらえ、あらゆる命のつながりの環の中に回帰していくという、自然志向の墓地のかたちです。森林や里山の自然と墓地が共存できるため、環境にやさしい墓地であると言えるでしょう。
宗教や宗派にとらわれない
樹木葬ではほとんどの場合、宗教や宗派などは関係なく埋葬することができます。特定の信仰は持っていないという方や、自分らしく眠りたいという方などからも、選択肢として注目されている葬送方法です。
費用の負担が少ない
樹木葬の大きな特徴として、従来のお墓に比べ費用の負担が大幅に少ないということが挙げられます。
一般的なお墓を建てる際の費用の相場は、「墓石」+「墓地の永代使用料」で200万円前後。一方、樹木葬の場合はまず墓石が必要ない上、永代使用料も10万円~70万円程度と、かなり低い相場となっています。
また形態によっては、墓地の年間管理費も無料の場合もあります。
お墓の後継者がいなくても大丈夫
古来、お墓といえば「先祖代々引き継がれ、将来も子孫によって守られていくもの」とされてきました。
しかしながら、核家族世帯と単独世帯が全体の8割以上となった現代においては、お墓を継いで管理していく後継者がいないというご家庭も少なくありません。
樹木葬なら墓石や墓地のメンテナンスなどの管理は不要ですし、墓参りをする後継者がいなくても、永代供養というかたちでずっと供養してもらえます。
こうしたことから「お墓の管理で子供に負担をかけたくない」という方が、樹木葬を選ばれることも多くなっています。
樹木葬について注意したいこと
従来型のお墓に比べ、現代の暮らしに沿った自由で新しい墓地のかたち、樹木葬。魅力的な特徴についてご紹介してきましたが、もちろん注意が必要な点もあります。
ご遺骨は返却できない
樹木葬はご遺骨を土に還すという方法であるため、埋葬後は基本的にご遺骨の返却はできません。将来的に分骨などの可能性があるといった場合は、ご家族間で事前に充分な話し合いを。
樹木葬は許可された墓地で
樹木葬ができるのは、法律によって許可を得た墓地・霊園だけです。山林や公園などの樹木の下に、勝手にご遺骨を埋葬することはできません。
メモリアルサービスでは、樹木葬に対応した墓地・霊園を多数ご案内しております。また樹木葬に関するご質問やご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。