神式の葬儀は、葬儀全体の中の2~3%しかありません。そのため、神式の葬儀に呼ばれると、どうすればよいのかわからず、あせることも。神式のマナーは、慣れている仏式と対比すると覚えやすいでしょう。
神式葬儀とはなにか
神式葬儀とは、神道が行う葬儀のこと。正確には「神葬祭」と呼び、仏教でいうと仏葬にあたります。神葬祭は、仏教のように故人を極楽浄土に送るのではなく、家の守護神になってもらうための葬儀。
神葬祭は、通夜祭→葬場祭→火葬祭→埋葬祭→帰家祭の順で執り行われます。この中で、とくに仏式と異なる、通夜祭のマナーを取り上げます。
通夜祭のマナー
仏教でいうと通夜にあたるものを、神式では「通夜祭」といいます。このとき仏式と大きく異なる2つの儀式が行われます。
その1.手水(ちょうず)の儀
神式の葬儀は、まず手水で手と口を清めます。手水の儀は、仏式の焼香にあたるもの。ひしゃくで水をすくい、左手を清めたあと、右手を清めます。次に口をすすぎ、懐紙で両手・口を拭くのがマナー。斎主→副斎主→祭員→喪主→遺族→近親者の順番で行われます。
その2.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
続いて、玉串奉奠の儀式に移ります。祭壇に向かって一礼、玉串を両手で持ちます。左手で根本、右手で玉串の頭を持ち、そのまま時計回りに半回転させ、根本を祭壇に向けて置く。2~3歩退き、2礼してから柏手(音を立てない)を2回打ちます。最後に神官・遺族に会釈し席に戻るのがマナー。
覚えておくべきほかの神式葬儀マナー
神式葬儀に失礼がないよう、ほかにもいくつかあるマナーについて覚えましょう。
数珠は持っていかない
数珠は、僧侶がお経を読むときに数を数えるために使うもの。神式の葬儀に必要ありません。
服装は喪服でOK
神式も、仏式で着用するのと同じ喪服でかまいません。とくに女性はアクセサリーは真珠だけにし、バックはブラックを身につけるのがマナーです。
香典の書き方
神式の場合、表書き上部には「御玉串料」「御神前」「御霊前」の中でふさわしいものを書きます。下部に自分のフルネームを記入。水引は黒と白の結び切りを使います。
線香・仏花は供えない
仏式では、線香や仏花を供えます。神式の葬儀は、果物・菓子・魚・酒、故人が好きだったものを供えます。お供えは5000円~1万5000円が一般的。
使ってはいけない言葉
神道と仏教は、死に対する考え方が異なります。神式葬儀に参列する際「ご冥福をお祈りします」「成仏しますように」「ご供養させてください」など、仏教用語は使ってはいけません。
神式のお墓選びについて
神式と仏式の葬儀に違いがあるように、お墓にも違いがあります。仏式は線香をあげる香炉がありますが、神式には玉串を捧げる八足台かお供え物台が必要です。彫刻される文字も、○○家奥都城など仏式にはないものが使われます。
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