墓石に刻む文字についての決まりごとは特にありませんが、いくつかの種類から書体を選ぶことになります。書体や彫刻方法、色入れなどによって墓石の雰囲気や印象が変わってくるので、注意しながら選びましょう。
文字の書体について
墓石建立の仕上げとしての文字を入れるにあたり、まずは書体を選びます。墓石のデザインにもよりますが、主に楷書・行書・隷書・草書・ゴシックの中から選ぶのが一般的で、楷書が一番人気のようです。
最近では書家による筆文字や手書きによるものなど、オリジナルの書体をリクエストするケースもあります。
書体を決める際の注意点
題目を刻む場合、宗派によっては決まった書体があることも。また、墓石正面は楷書で他の細字は行書にするなど、内容によって使い分けることも可能です。書体の種類によって同じ文字でも印象が変わるので、実際に入れる文字を何パターンか見本として印刷した状態で確認し、仕上がりのトラブルを防ぎましょう。
彫刻について
文字の彫刻に関しては、もっとも一般的なものとして「文字彫り」が使われていますが、洋型タイプの人気から、文字を比較的浅く彫ってその周りを縁取るように深く彫る「淵彫り」も増えてきているようです。
お墓のイメージに合わせた彫刻方法
文字以外にもイラストなどを彫る場合には、「線彫り」が一般的です。彫刻技術の発達と、墓石の種類による色味にバリエーションが増えたことで、その墓石の雰囲気にふさわしい彫り方を選ぶ人も多くなっています。
石材店によっては、見栄えのする「掘り込み彫り」や「立体彫り」など、彫刻のバリエーションも豊富なので、お好みのものを選びましょう。
文字の色入れについて
墓石の文字に黒や白などの色を入れるかどうかは、石材店で見本を出してもらい、墓石の色味とのバランスを見て決めましょう。石材によっては、色を入れることで文字がはっきりと浮かび上がり、凛とした表情になる場合も。ここでも、色を入れたパターンとそうでないものを比較検討する必要があります。
退色した際のメンテナンスについて
既存の彫刻文字の色がはげてしまった場合のメンテナンス面においては、自分で色を入れることも可能ですが、最近では墓石のクリーニングサービスの一環としておこなっているところもあります。永く付き合っていくお墓のことなので、まずは石材店へ相談してみましょう。
文字彫刻によって墓石に風格が生まれます
墓石建立の最後の仕上げでもあり、お墓の風格を印象付ける文字彫刻。墓石との相性を見ながら、じっくりと選びましょう。一度彫ってしまったものは簡単に修正することができないので、誤字などにも注意してください。また、花立や水鉢など墓石の付属品への彫刻加工も必要になってくる場合があります。
具体的な書体例などについては、メモリアルサービスの墓石の彫刻・文字とお墓の付属品をご参考になさってください。