「新しくお墓を建てたいと考えているが、まず何をどうすればいいのか分からない」という方は意外に多いものです。お墓は一生に一度の大きな買い物。
自分自身と家族全員が納得のいくお墓を建てるために、お墓についてよく知ることから始めましょう。
「お墓」の意味について
「お墓」とは、故人の遺体や遺骨を納めて弔う場所のことです。私たちにとって、お墓が持つ意味について考えてみましょう。
家族の絆をつなぐ場所
今は亡き家族やご先祖様が眠るお墓は、家族の絆をつなぐものです。家族揃ってお墓に手を合わせて、故人の安らかな幸せを願い感謝することで、何代にも渡って受け継がれてきた命のつながりを、次世代へ伝えていくことができます。
そうした意味で、お墓は家族の象徴であり、私たちの心の寄りどころであるとも言えるでしょう。
死後の住処
お墓は、私たちの「死後の住処」ともなる場所です。あらゆる人にやがては訪れる人生の終わりに安心して眠りにつくための場所、それがお墓なのです。
そしてそのとき、私たち自身がまた、残された家族にとっての寄りどころとなっていくのです。
お墓・墓地の形態について
都市を中心とした墓地の不足、核家族化・少子化による後継者の不在、既存のお墓の無縁化などといった問題から、現代では人々のお墓に対する意識が多様化しています。これに伴って、お墓や墓地の形態も様々になってきました。
お墓の形態
お墓はそこに入る人の範囲によって、大きく2つの形態に分けられます。
- 家族墓・・・いわゆる「○○家之墓」という家族や親族限定のお墓。国内では最も一般的で伝統的な形態です。
- 永代供養墓・・・合葬墓、合同墓、共同墓などとも呼ばれ、血縁を越えて不特定多数の人が一緒に入るお墓です。
墓地の種類
また墓地については、運営する組織によって3種類に分けられます。
- 寺院墓地・・・檀家のための墓地なので、その寺院の檀家であることが使用の前提となります。
- 公営墓地・・・自治体が運営する墓地。宗派不問で使用料も手頃なため人気が高く、抽選となることも。
- 民営墓地・・・民間の企業が運営する墓地。宗派不問で数も比較的多いのですが、公営よりも使用料が割高です。
お墓についての決まり事は?
お墓を建てる際に、墓石の形状や墓相、お墓の場所、向き、お墓を建てる時期など、様々なことについて“縁起”や“祟り”などを気にする方も多いようです。
しかしながら、基本的にはお墓について「こうでなければ」という決まり事は何もありません。本来お墓は大切な人に会いに行く場所であり、家族の絆を深める安らぎと癒しの場です。そうしたお墓の意味合いから考えれば、縁起や祟りなどといったことは気にする必要はないのです。
大切なのは、故人を思い供養したいという心です。
お墓について家族と話し合いを
お墓を建てることは、子供や孫、さらにはその後の世代までにも長く関わる大切なことです。
すべての家族にとって大切な心の寄りどころとなるよう、まずはお墓について様々な面からよく調べた上で、家族の将来やそれぞれのライフスタイルを見据え、充分に話し合いを持ちましょう。