永代供養の特徴のひとつが、宗教や宗派を問わないことです。しかし、本当に宗教や宗派と無関係なのでしょうか? また、宗教色の薄さは永代供養のどういうメリットにつながるのでしょうか?
宗派とは?
キリスト教やイスラム教のように、複数の分派が存在する宗教が世界にはあります。仏教も同様で、仏教では分派を「宗派」と呼びます。現在の日本で広く普及しているのは鎌倉仏教。次いで、平安仏教と奈良仏教です。
- 鎌倉仏教…時宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗、臨済宗
- 平安仏教…真言宗、天台宗、融通念仏宗
- 奈良仏教…華厳宗、法相宗、律宗
- 江戸仏教…黄檗宗
たとえば、真言宗でも9派があるように、宗派は細かく枝分かれしています。
受け入れ条件で見る、永代供養と宗派の結びつき
永代供養を行うのは寺院や墓地であり、寺院は必ずいずれかの宗派に所属しています。「永代供養は宗派を問わない」というのは本当なのでしょうか?寺院が永代供養を受け入れる際の宗派に関する条件は、おもに以下の4つに分けられます。
- 宗教は問わない。仏教以外の宗教でもOK。
- 同じ仏教なら、宗派は問わない。
- 寺院と同じ宗派のみを受け入れる。
- 檀信徒契約を結んで、檀家に入ってもらう。
永代供養の多くが1か2の場合が多く、ほとんどの場合、宗派を問いません。
生前契約は宗派と関係がある?
永代供養のなかには生前の契約が可能な寺院もあり、檀家入りを求められることがあるようです。檀家に入ると手厚い供養を受けられるなどメリットはあるのですが、経済的な負担は小さくありません。生前契約をお求めになる際は、きちんと確認したほうがよいでしょう。
宗派と無関係ではない、永代供養の法要
永代供養でも、納骨法要や年忌法要では僧侶にお経を上げてもらうことになります。そうなると、宗派と無関係とはいえません。永代供養の法要は、それぞれの宗派の進め方に沿って行われます。
宗教色の薄い供養もできる?
自治体の運営する公営墓地は、管理は十分ですが、寺院墓地ほどに手厚い供養は行われないという側面も。永代供養墓のための合同供養祭が行われるとしても、宗教色の薄いものになりがちです。個別で年忌供養を行う場合は、自身で手配をしないといけません。
公営墓地以外にも、宗教色の薄い供養が行える、もしくはさまざまな宗派の供養が行える墓地や施設はあるようです。
永代供養に戒名は必要か?
法要とは別に、宗派の違いが表れるのが、戒名(法名、法号)です。宗派それぞれのやり方で、戒名を授けます。永代供養では、戒名を使わずに俗名で弔ってもらうことが一般的です。俗名なら、お布施を別に用意しなくて済みますし、宗派を気にすることもありません。
宗派で考える永代供養のメリット
永代供養を選ぶ側としては、宗派を問わず、条件さえ整えば誰でも受け入れてもらえるのは魅力でしょう。「選択肢が広がる」と考えることもできます。ただ、お墓選びはじっくり行うことが重要です。宗派へのこだわりがある方もない方も、「どのような施設」で、「どのように供養されるのか」を一度見学しましょう。
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